身内と私の話。

若年性認知症になった身内との記憶を綴るブログです。

トシオ小父さんと御茶ノ水。

さまざまな理由で、上京してから私とトシオ小父さんが会う場所は御茶ノ水が多かった。

 

先ごろ、所用で、コロナ禍以来初めて、御茶ノ水橋方向へ行った。

駅前を抜けていくと、「あ、ここ、よく飲みに来てたけど、閉めたんだ」「ここは小父さんがしょっちゅう立ち寄ってやたら飲んでた、まだある」などなど、そこここに「トシオ小父さんと行った場所」があり、思い出が立ち返ってくる。

 

少々つらかった。

 

御茶ノ水は大学もあり、予備校もあり、若い浪人生・学生が行き交う学生街でありつつ、楽器店も多く立ち並んでいるので、「学生のまま大人になった」ような雰囲気の人が大勢いる。

 

トシオ小父さんはまさにそういう雰囲気を漂わせた「大人になりきれない大人」だった。

 

何がどう間違ったら、あの人が若年性認知症になるのだろう。

 

今もわからない。

 

御茶ノ水からは、しばらく足が遠のきそうである。