身内と私の話。

若年性認知症になった身内との記憶を綴るブログです。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

トシオ小父さんがとばっちりを受けた話。

トシオ小父さんが器楽を趣味にしていたことは書いたが、音楽教室というのはさまざまなコースがあるもので、イタリア歌曲に魅せられた彼は声楽を習い始めた。 なんだか面白そうなので、私も同じ先生に声楽を習うことにした。 その頃私はミュージカルファンで…

トシオ小父さんとブランドもの。

ひとつ思い出すともうひとつ思い出す。 思い出したときに書いておこう。 トシオ小父さんは、ある楽器が趣味で、セミプロ級だった。 一応、そういう音楽教室チェーンで、講師の資格をもっていたほどだ。 教室では、オケを組んで、海外に演奏旅行に行くことが…

トシオ小父さんの伝道。

私が中学生のとき、田中芳樹『創竜伝』が、CLAMPの挿絵で文庫化された。 当時CLAMP『魔法騎士レイアース』や『X』『聖伝 RG VEDA』を読んでいた私はわりとジャケ買いで手に取り、読んだのである。 それをトシオ小父さんに話したところ、 「『創竜伝』?それ…

トシオ小父さんの語る幼い頃の私。

トシオ小父さんが、初対面の私の知人に、ほぼ必ずした話が、「えすぺろがレコードを聞いた話」である。 「こいつはさ」、とトシオ小父さんは始める。 「3歳くらいで、じいちゃんばあちゃんのところに1人で預けられてさ、寂しかろうと見に行ってみたら、俺を…

バナナを食べすぎた話。

トシオ小父さんは、小学生の頃に大引越しを経験した。 1960年代のことだ。 当時は移動がそんなに楽ではなく(小父さんたち一家も、在来線を乗り継ぎ乗り継ぎ、数日かけて移動したそうだ)、ご近所中が、「今生の別れ」とばかりに駅まで見送りにきた。 そして…

「トシオ『小父さん』」。

ちょうど、仮名を設定したので、記憶をひとつ書く。 トシオ小父さんのことを、母は「トシオくん」と呼んでいた。 なので私は母と同様に、彼のことを「トシオくん」と呼んでいた。ずっとだ。 記憶がある限り幼いころから、高校くらいまでだろうか。 大学進学…

身内の設定。

「身内」と言い続けるのも面倒なので、仮名をつけておく。 私はTwitterネームの「えすぺろ」。 身内は、「カトウ・トシオ」とする。 念のため、本名とは全く異なる。 今は(というより、さまざまなことを弁えたあとは)、私は彼を「トシオ小父さん」と呼んで…

身内のこと。

このブログでは、身内との記憶を書いていく。 母方の身内だ。 特定を避けるため、彼と私の明確な関係には触れない。 また、適宜フェイクも入れる。 身内に認知症の疑いがあると確定したのは、昨年末だ。 その時点で身内は60歳以上65歳未満だったので、若年性…